約 4,266,634 件
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4004.html
唯「運命のパートナー?」 11月の半ば、N女子大。 唯「今日ね、うちに春がくるんだよ!」 紬「まぁ、ステキね!」 律「いや、もう冬なんだけど。」 澪「唯、まだ寝ぼけてるのか?」 唯「違うよ!春だよ、春くん!」 大学生活も一年半が過ぎて、もうすぐ20歳。 私にも、ついに春がやってきました。 彼の名前は渡橋 春(とばし はる)くんっていいます。 現在16歳、高校2年生です。 出会いのきっかけは、憂にもらった手袋。 彼が私の落とした手袋を拾って届けてくれたのがはじまりでした。 春「はぁ、はぁ、すみません!手袋、落としましたよ!」 唯「え?私?」 春「はぁ、はぁ。コンビニの出口でこれ・・・」 唯「あっ!妹に貰った大切な手袋なんだ。本当にありがとう!」 春「はぁ、はぁ。声かけたんだけど、気付かなかったから・・・」 唯「すごい汗!お礼にお茶でも飲まない?お姉さんがおごっちゃうよ!」 春「そんな、でも悪いですし。」 唯「いいからいいから。手袋を届けてくれたお礼だよ!」 私は遠慮する彼を引っ張って近くの喫茶店に入りました。 駅前にあるおしゃれなカフェ。大学生にもなるとこんなお店にも入っちゃうんです。 内装もすごくおしゃれなお店。やっぱり私には敷居が高かったかな・・・ そういえば、男の子と二人でお茶するなんてはじめてかも。 唯「何でも好きなもの頼んでいいからね!」 春「は、はい。どうも。」 唯(あれ、思ったより高い・・・) 春「じゃあ、いちごパフェ・・・じゃなくてコーヒーブラックで。」 唯「おぉ!ブラック飲めるんだ?大人だねー。」 春「はい、まぁ・・・」 唯「いちごパフェもおいしいよー。」 春(苦い・・・パフェにすれば良かったかな。) 春くんは近くの高校に通う一年生だそうです。 学校のこと、部活のこと、いろんなことをお話しして、すごく楽しかったな。 暗くなるまでおしゃべりして、帰りには互いにメールアドレスを交換しました。 それから私たちは、頻繁にメールを交わすようになったんです。 そんなある日のメール。 唯『最近どう?学校は楽しい?』 春『楽しいですけど、勉強が苦手です』 唯『わかるわかる!私も苦手だよー』 春『実は、この前の中間テストで追試になっちゃって』 唯『あはは、大丈夫だよ!私も追試だったけど、なんとかなったもん!^^v』 春『でも今度赤点とったら親に部活禁止にされちゃうんです><』 唯『しょうがないなぁ。それじゃあお姉さんが家庭教師してあげよう!』 こうして週に一回、春くんの勉強を見てあげることになりました。 期末試験の前日、私たちは最後の追い込みに入っていました。 ちょっと苦手意識が強いけど、飲み込みは早いみたい。 この調子なら、赤点の心配はなさそうです。 唯「うん、いい感じだね!これならいけるんじゃない?」 春「唯さん。もし今度の期末テストで90点以上とれたら、デートしてくれますか?」 唯「え、デート?」 春「デートじゃなくてもどこかに遊びにいく、とか・・・」 唯「いいね!じゃあ遊園地なんてどうかな?」 私たちにとってはじめての、デートの約束でした。 春くんと遊園地、楽しみだなぁ。 そして一週間後、春くんから電話がかかってきました。 なんだか声のトーンが落ち込んでるみたい。 唯「どうしたの?また追試だったとか?」 春「テスト、89点だったんです・・・」 唯「すごいよ!がんばったね!」 春「でも、90点取らないと遊園地に行けないですから・・・」 唯「行こうよ、遊園地。私も行きたいもん!」 次の休みの日、二人で近所の小さな遊園地に行きました。 二人で乗ったジェットコースター、メリーゴーランド、観覧車。 今でも大切な思い出です。 生まれて初めての告白を受けたのは、その観覧車の中。 それならお友達から、って感じで私たちの交際は始まりました。 二人で撮った写真を眺めて思い出に浸っていたらあっという間に時間が過ぎていきます。 約束の時間になって、春くんが私のマンションにやってきました。 唯「雨だねぇ。」 春「土砂降りですね。」 唯「今日は一日のんびり部屋で遊ぼっか。」 春「あ、俺ゲーム持ってきたんです。」 唯「いいね、やろうやろう!」 春「このソフト、結構人気なんですよ。」 唯「うぅん、難しいな。春くん、お願い!」 春「ここはこうして・・・」 唯「おおっ!じょうず!」 しばらく二人でテレビゲームをして遊びました。 春くんはゲームがとっても上手です。 ひと段落したら、お茶を入れて一休み。 小さなソファーに寄り添って座ります。 唯「もう知り合って一年かぁ。初めて会ったのは春くんが15歳の時だったよね。」 春「俺が唯さんの手袋を拾ったことから始まったんですよね。」 唯「不思議な縁だよねぇ。」 春「・・・俺、唯さんとずっと一緒にいたいです。」 唯「二十歳になっても、百歳になっても?」 春「もちろんです。約束します。」 唯「ふふ、ずっと一緒にいてね。約束だよ?」 部屋の中で、指切り。 その後も、二人きりで甘い時間を過ごしました。 翌日はサークル部屋でいつものティータイム。 今日は久しぶりにメンバー五人が集まりました。 年頃の女の子が集まってするのはもちろん恋愛トーク。 高校生の頃にはなかった光景です。 唯「でね、春くんがさぁ・・・」 梓「唯先輩、最近幸せそうですね。」 紬「うふふ。恋する乙女って感じね。」 唯「えへへー。」 澪「ふふ、私たちもそろそろ相手をさがさないとな。」 律「あれ、言ってなかったっけ?小学校の同級生で公人っていたろ?あいつと・・・」 紬「私もパーティで知り合った方と・・・」 梓「実はライブハウスで・・・」 澪「・・・・・・ええええええええぇ!?」 おしまい 6
https://w.atwiki.jp/mizcremorne/pages/289.html
はじめに スクリプトって何だ? スクリプトで何ができるのか はじめに 日本語によるスクリプトの解説記事が少ないという嘆きの声がしばしば聞こえてくるので、微力ながらスクリプトについて基本的なところから書いてみようと思います。 想定している読者は、スクリプトの知識が無い初心者さん。 加えて、プログラミングの知識も無いことを考慮しておくつもりです。 わかりやすく書けると良いのですが(^^; スクリプトって何だ? ワールド内に存在するほとんど全てのものをプレイヤーが製作するのがSLですが、一口に「ものづくり」と言っても、いくつかの分野があります。 一つには、建物や家具、置物、アクセサリーなどの小道具の製作。 これはprimというワールド内の物体を組み合わせることで形を作ります。 一般的にはbuildと呼ばれ、SLのモデリングツールに習熟することが必要な分野です。 こうして作られたものを「オブジェクト」と言います。 次に、服やスキンを作る分野があります。 これはtextureの製作になります。 textureとはオブジェクトやアバターに貼り付けるための画像のことで、texture次第で、ただの箱をサイコロのように見せたり、ダンボール箱のように見せたり、ただの木の積み木のように見せたりできます。 ですのでクオリティの高いbuildをする際にはクオリティの高いtextureが必要になると言えるでしょう。 textureの製作には、フォトショップやGIMPなどのSL外部のペイントツールを使います。 細かくなりますが、他にはサウンド、アニメーションの製作があります。 どちらもSL外部のツールを使って製作します。 サウンドはSL内で音楽や効果音を鳴らす際に使われ、アニメーションはアバターの動きを制御するものです。 そしてスクリプトです。 スクリプトは、他の分野と比べると目に見えて捉えにくいものです。 ごく端的に説明するなら、スクリプトとはSLワールド内の物体やアバターを制御するためのプログラムです。 例えば、乗り物が一番わかりやすいでしょう。 乗り物自体はbuildの技術によって製作されていますが、単にbuildしただけでは動きもしませんし、正しく運転席に座ることもできません。 buildした乗り物の中にスクリプトを組み込むことにより、運転席に座ったり、動かしたりすることができるようになるのです。 つまりスクリプトとは「仕組み」です。 buildによって作れるものはあくまでも外観のみであり、動いたり、音を鳴らしたり、アバターをアニメーションさせたりといった「仕組み」を実現するのがスクリプトなのです。 スクリプトで何ができるのか あらゆることが出来ると言ってもいいでしょう。 もちろん、SL内で許されている範疇で、ではありますが。 逆に、凝ったことをしようと思ったときには、スクリプトが必須になります。 基本的にはbuildで作れるものはただの置き物に過ぎません。 スクリプトを組み込むことで初めて、それらの置き物に様々な機能を付与することができるようになります。 先に挙げた乗り物以外にもいくつか具体的に例を挙げてみましょう。 椅子 基本的な家具ですが、buildで形を作っただけでは、実は完全な椅子にはなりません。 試しに、手ごろな大きさの円柱でも作って座ってみるとわかりますが、アバターの立ち位置やクリックした場所によって、前向きに座ったり、後ろ向きに座ったりと、動きが一定にはならないのです。 正しく座れる椅子を作るには、スクリプトによって、座る位置、角度(ときにはポーズ)などを指定する必要があります。 ドア これもごく基本的なパーツですが、buildでドアの形だけ作っても、開閉の動作は実現されません。 スクリプトを組み込んで初めて、タッチで開いたり閉じたりするドアが作れます。 また、自動ドアや回転ドアを作ることも出来ます。 窓や机の引き出し、カーテンの開閉なども同様です。 音 サウンドをSLにアップロードするのは難しくありませんが、音の鳴るステレオやラジオを作るとなるとスクリプトが必要になります。 また、ペットのわんこが鳴くようにしたいとか、登るときにきしむ階段を作りたいなどという場合も同様です。 アニメーション アバターにダンスなどの動きをさせるときには、インベントリにあるアニメーションを再生すれば実現できます。 また、音楽や台詞を組み合わせたジェスチャーという機能が用意されていますので、単にアバターに面白い動きをさせたいという場合はスクリプト無しでも大丈夫です。 しかし、例えばローラースケートを作った際には、滑るアニメーションを連動させたほうがより楽しめるでしょう。 あるいは楽器を手にした時に演奏するアニメーションを連動させたい場合もあります。 これらを実現するにはスクリプトが不可欠です。 武器 あまり使う機会は無いかもしれませんが、拳銃やバズーカといった武器を作る際にもスクリプトが必須です。 日本刀など作る人も多いですが、単に飾り物ではなく、振り回したい(w)という人はスクリプトを組み込む必要があります。 炎や水 暖炉の中でチラチラ揺れる炎とか、花火、流れ落ちる滝、綺麗な噴水、さらには水しぶきなど、これらはスクリプトでなければ実現不可能です。 いずれも基本的なところですが、スクリプトを使うことによって、オブジェクトが生きてくるということをわかっていただけたらと思います。 もちろん、ただ眺めているだけでも美しい建物やオブジェクトはたくさんあります。 ですがそれらにスクリプトを加えてやることで、より楽しく、リアルにすることができるのです。 今回はスクリプトとは何か、どんなことができるのかについて説明しました。 次回はより具体的にスクリプトの中身に入っていきたいと思います。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mousouyomi/pages/3347.html
【妄想属性】誰も知らない 【作品名】不明 【名前】通称「六角形」 【属性】不明 【大きさ】不明 【攻撃力】不明 【防御力】不明 【素早さ】不明 【特殊能力】? 【説明】 私たちは全知や全能ではないがゆえに、彼の正体を知ることはできない。 私たちにできるのは、私たちが「六角形」と呼ぶ彼のことについて知っていると思われることを伝えることだけである。 「六角形」とは、いわゆる図形としての六角形とは異なる存在であると思われる。 「六角形」は私たちには接触することはおろか、その存在を認識することすらできないらしい。 しかし「六角形」は、「六角形」がどこかに存在していることを私たちに認識させることがあるようだ。 そのため私たちは、「六角形」が存在しているということを認識しているのであろう。 もしかしたら「六角形」は存在しておらず、別の何かが「六角形」という架空の存在を私たちに認識させているのかもしれない。 しかし、私たちにはその真偽を確かめることはできないのである。 また、「六角形」は、自分は全知にはわずかに劣る存在であるということを私たちに認識させることがあるようだ。 それはつまり、全知の存在であるならば「六角形」の正体を知ることができ、「六角形」を倒すことができるということなのであろう。 あるいは、その正体を知らない存在には「六角形」を倒すことはできないということであるのかもしれない。 また、実際は「六角形」は全知より強い存在であるかもしれないし、逆に全知よりはるかに弱い存在であるかもしれない。 しかし、私たちにはその真偽を確かめることはできないのである。 「六角形」がどのようにしてそのような存在になったのか、私たちには想像することしかできない。 彼は生まれた時からそうであったのかもしれないし、気づいたらそうなっていたのかもしれない。 あるいは、何らかの大きな力によってその存在を無かったことにされたのかもしれない。 しかし、「六角形」が自ら私たちにそのような認識を与えるということは、 彼は私たちに、その存在を覚えていてほしいと思っているということなのではないだろうか。 【長所】知っている人は知っている 【短所】知らない人は覚えてね 656 : ◆llyMtx4ftn46 :2017/05/16(火) 01 38 48.48 ID y+Yg5P+G 通称「六角形」考察 結局詳細不明により考察不能。
https://w.atwiki.jp/comesonobravo/pages/37.html
「気になること」 気になること(2008/4/29) ページ内目次 KOF'98関係 KOF98UM関係 KOF2002関係 KOF 98関係 GCC+Dを相手に当てた(ヒットorガード)場合のゲージ増加は02のように、事前に出した技に左右されるか? ⇒左右されなかった。 KOF98UM関係 ゲーニッツのJCDカウンター→立ちCDで気絶する? 暴走庵、覚醒レオナのジャンプ予備動作の投げられ判定 暗転返しを利用してのサプライズ潰し 影二の近D2段目ガード時の硬直差 表テリーの弱パワーチャージをガードされた場合の硬直差 クラウザーの屈みC≫強ソバットの連係に対し、庵は屈みCを立ちガード~前方大J百合折りで抜けつつヒットさせられるか? シェルミーの屈みBは相変わらず飛行型の飛び道具を潜れるか? 表ジョーの弱スラッシュキックの発生(無印より遅くなってる気がするので) 表ジョーで弱黄金のカカトが空中ガードされた時のガークラ値の蓄積具合 裏ユリの弱強破砕をガードした後の硬直差 バイスの近Dを影二が空中ガードしていた(チャリオットさんの大会動画:BLUEさん対せつげっかさん戦にて) クラウザーの近C空中ヒット→強ソバットは着地無敵技で返せる? 表クリスの通常版弱強チェーンスライドタッチをガードされた後の硬直差 クラウザーのアンリミテッド対空は真上から下方向に強いジャンプ攻撃で潰せる? 裏ユリの砕破で反撃できる技 ムックが発売されるようなんで、ムックに色々調べられているのを期待(´∀`) ランダムダメージがないようなので、キャラ毎の防御力補正を調べやすそう。 表クリスのMAXチェーンスライドタッチで反撃できる技 昇りJ攻撃の中段になる技&相手キャラ ラルフの昇りJDが中段になりやすくなってたりするみたい(ごしょさん、もりもっちさん、ガンピさん達のブログより)なんで、他のキャラも調べてみたいな、と。 JC+D(カウンターヒット+クイック発動)>着地地上技で地上引き込みできるっぽい!? 立ちC+D(カウンターヒット+クイック発動)≫必殺技で普通だとつながらない技でも繋がる? 庵で、J攻撃(ヒットorガード+クイック発動)>中J百合折りが反応されやすいネタとして使えるかも。 遠距離で飛び道具→MAX発動でガード不能になる?(2ch情報) 上と似たような話で、飛び道具→緊急回避や避けだとどうなる? カウンターヒットすると気絶値の蓄積が大きくなる? リバサ昇りJ攻撃は空中判定への移行が早い?(98や02ではそうでした。避け選択時&背向け時に意味があるかも) 裏キングのベノムを飛び越えやすくなるキャラ&J攻撃を確認しておくといいかも。 必殺技の技動作の全体フレームは通常技(相手ガード)≫必殺技空振り後の硬直差でわかるはず。 滞空時間は無印の表を参考にして98にはいないキャラの数値などを確認すると効率よさそう。 KOF2002関係 02紅丸の弱反動三段蹴りをガードした後の反撃について 端でガードした場合はもちろん、中央でガードした後の確定反撃についても確認したいです。 ジョーとかは弱スラッシュキックが間に合わないかな(´∀`) 京、クローン京でのめくり中J奈落が、立っていても空振りするキャラ ビリー、ケンスウとか無理そう。要は立ち状態&立ちガードが低いキャラですね。 アンヘルの近C≫クイック緊急回避は不利フレーム短い? コメントはこちらにお願いします 名前 コメント 訪問者数 今日: - 昨日: - 全体: -
https://w.atwiki.jp/ikaikai/pages/70.html
Notre Musique 監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール 日比谷 シャンテ・シネ(18日まで) 【ひとりごと】 初ゴダール。やっぱり難しかったな…。 一回観ただけじゃ感想も書けないや。あと二回くらいは観ないと。 心を動かす言葉がたくさん出てきたけど忘れちゃったし…。 ただ一つ。 主人公オルガが,イスラエルへ「世界の和解のために」死にに行く前に,叔父(だったっけ)に向かって三回, L autre monde! と叫んでいたのが我々としては注目せずにいられない。字幕では「来世」「あの世」と訳されていたけれど,これはthe other world,すなわち「異界」のことですな(これが言いたかっただけ…)。 ちなみに字幕はご存知,寺尾次郎さん。 <天国篇>のラストシーン,オルガは何を見つめていたのだろうか。 「アワー・ミュージック」公式サイト menocchioの部屋に戻る
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4501.html
『ぼうっさいくんっれん! は ゆっくりできるよ!』 42KB 愛で 思いやり 飼いゆ 野良ゆ 現代 防災訓練、たまにはしませんか? 人の語り部分が多いです。 虐待成分無しの愛でss。ぬる虐め程度の描写があるくらいです。 ゆっくりが苦しむところもありますが、ゆっくりの防災訓練ではよくあることです(キリッ) それでも構わないと言う方は、よろしくお願いします。 銀色に統一された部屋。所々壁に似た敷居が固定されている。 はめ込み式のそれはロックを解けば持ち運ぶこともできそうだが、今は大人の力でもびくともしなさそうだ。 よく奥まで見れば、何層も鉄網で覆われた巨大な扇風機のようなものが備え付けられている。 見かたによっては恐怖すら感じそうな、実験室めいた部屋。 「ゆわぁ……! あまがっぱさんは ゆっくりできるね!」 「かっこいいのじぇ! まりちゃは びゅーびゅーさんになんか まけないのじぇ!」 その中にいるもの達は、みな好き勝手におしゃべりを続けていた。 十数匹のゆっくりが黄色い雨具を装っ着しており、 それぞれ種別ごとに紐やジッパーの部分が色分けされている。 れいむ種はおりぼんの形に上部が作られており、まりさ種はおぼうし型に先の尖った流曲線のデザイン。 さながら、ピカ○ュウと黄色いスラ○ムである。 「ゆわーい! あめしゃんだ! あめしゃんがもうすぐふるよっ!」 「とっても とかいはな あまぐさんね! ぱちゅりーを ゆっくりまもりなさい!」 「むきゅー……むきゅー……エレエレ」 「れいみゅは かぜしゃんより きょうっだい! でつよいんだよ!」 「とっちぇも あんっしんっ! なのじぇ!」 完全防水防風。あんよの部分はゴム製の長靴のような仕様で、濡れた路面や道で跳ねるのを阻害しない。 一部、気分のすぐれないゆっくりがいるものの、 ゆっくり専用雨具の性っ能に酔いしれている。 それもそのはずで、着ている物はゆっくりのゆっくりによるゆっくりのための雨ガッパであり、 ゆっくりによっては、見た事がなくても記憶しているものもいるくらいである。 自分の帰る場所をゆっくりぷれいすと呼ぶのと同じように、 あめさん・かぜさんから身を守る道具を『あまがっぱさん』『あまぐさん』と呼んでいる。 ゆっくりは三度跳ねれば忘れる、という格言があるように、忘れる事に関してどの生物よりも優れている。 ……優れているかどうかは様々な議論や思想があるため割愛するが、 そのゆっくりの記憶餡にも刻み込まれている『風雨から身を守る道具』をどのようにして覚えさせたのか? またどれほどの労力や時間や人生やゆん生をかけたのだろうか? 飼いゆ野良ゆ問わず、何世代も何世代も辛抱強く、諦めず。 そこにあったのは懸命なひたむきさか、それとも狂気にも似た情熱か。 「さて、これからたいふーさんや、びゅーびゅーさんが来てもびっくりしないように、訓っ練をするよ! お兄さんの言う事が、ゆっくり聞けるかな?」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「ゆっきゅり りかい しちゃよ!」 お兄さん、というには少々年を重ねた青年がゆっくり達に声をかける。 幼い子どもが好みそうな口調や雰囲気は、そっくりそのままゆっくりに好まれる類のものだ。 そのお手本のような声と調子で、青年は続ける。 まず、風が来ても慌てない事。 どこか適当な壁や窪みに隠れる事。 余裕があれば家族や友達、他ゆんを助けてあげること。 ゆっくり達は人間の方を向いたまま、ゆっくりと頷く。 そこには雨具への全っ幅の信頼から、驕りを見せるものもいたが、 『ぼうっさいくんっれん』という言葉を聞いた時のゆっくり達は、一様に真剣な顔になっていた。 「それじゃあ、訓っ練を始めるよ! ゆっくりできないかもしれないけど、 かぜさんが吹いたら落ち着いてかべさんに隠れてね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「ゆっきゅり りかい しちゃよ!」 理解の足りないゆっくりがいれば何度も何度も復唱させて、ようやく青年は部屋を出て行った。 台風・暴風雨(びゅーびゅーさん)の疑似体験。 野良ゆっくりの群れが実際に台風の進路にぶつかった場合、その時の体験が他の機会に生かされることは無い。 ほぼ例外なく群れは全滅してしまい、伝えるゆっくりなど存在しなくなるからだ。 飼いゆっくりは家にいる為、さして恐怖を覚えることなく (あるいは自分の強さに増長するケースもある)わざわざ記憶などしない。 地震や津波、台風などから身を守るすべは、 せいぜいが優秀な飼いゆっくりや一部の野良ゆっくりから、その子孫に記憶や口で細々と伝わるのみ、だった。 「ひとまずここまでが野良・飼い問わず、ゆっくり向けの暴風雨体験の基本的な導入です。 多少言葉や口調を変えても構いません。……私も思いっきりアレンジしちゃってますから。 大切なのはゆっくりが言われたことを理解したな、と思うまでは、体験を始めないこと。 理解できるまで、丁寧に一所懸命に伝えること。伝わるまで何度でもです」 先ほどの青年が、ゆっくりのいる部屋を映したモニターを見つめながら言った。 後ろには数名の人がいて、それぞれに顔をしかめていたり、口端に笑みを浮かべたりしながらも真面目に聞いている。 モニターに映るゆっくり達は__ 「ゆっびゅよぉ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙っ゙!?」 「れいみゅは かぜしゃん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙っ゙!?」 「おしょらをっ! とん゙で゙り゙ゅ゙の゙じぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!?」 「むぎゅ……むぎゅうぅぅ……エレッ」 「ぱちゅりー! ゆっくりじでっ! ここでゆっぐりかくれてれば だいっじょうぶよっ゙!」 「どびら゙ざん゙! どぼじでじまっでるのぉぉぉぉぉぉ!?」 疑似的な暴風雨(風速・雨量ともに最っ大。超大型台風クラス)の恐怖にさらされていた。 「みなさんにとっては、これから何十、何百、何千も繰り返す訓練案内です。 でもこの防災体験を受ける方にとっては、かけがえのない、ただの一度きりの機会。 ……そう考えて、人にもゆっくりにも、みなさんが今まで覚えた知識や経験を伝えてくれることを願っています」 青年の声は真剣そのもので、大抵の人やゆっくりに安心感を与える先ほどの雰囲気は失せている。 現在進行形で研修を受けている新人さんたちは、風雨の調節パネルが最っ大であることや、 未だに続いているゆっくり阿鼻叫喚の図を見てもう止めていいのでは? などと青年に聞いたりしない。 彼の案内を聞いて訓練した人やゆっくりは、すでに数千では単位が足りないことを知っているし、 その訓練体験中、一度もゆっくりを死なせた事がないことも知っているのだ。 救急スプレー缶(濃縮オレンジジュースを散布できるもの。体力全っ回復)で瀕死状態からでも救助できるということも当然あるのだが、 防災体験とはいえ、死と常に隣り合わせと言ってもいいゆっくり。 毎回の訓練課程中、どれほどの神経を使うのか。 飼いゆっくりを死なせれば施設全体の責任問題になり、 野良といえど、代表して体験したゆっくりが帰って来なければ、その群れ全体の防災への不信に関わってくる。 「ぼゔや゙べで゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!」 「びゅーびゅーざん゙ い゙づい゙な゙ぐな゙る゙の゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙っ゙!?」 「む゙ぎゅっ゙……ぬ゙れ゙でな゙い゙のにっ……お゙ お゙ぼれ゙でる゙っ!? ……エレエレ」 「ゆ゙んや゙あぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙! ばぢゅりぃ゙ぃ゙ぃ゙い゙い゙!?」 「……ぢゅ……ぢゅ゙ぶれ゙…………り゙ゅ゙っ……ゅ……」 「ま゙り゙ぢゃ………も…………ゆ……じぇ」 懇願。困惑。恐怖。絶望。 中には餡子を吐いているものや、壁に吹き飛ばされたまま潰れ続けているものまでいる。 この時の強烈な体験を記憶餡へ刻み込まれたゆっくりは、ゆっくりできないような強い風をある程度察知できるようになり、 公園のゆっくりは巣をより深く深く掘ったあと、懸命にけっかいを張るようになる。 都会のゆっくりは路地の隙間に段ボールやビニールを幾重にも重ね、強固なゆっくりプレイスを作るようになる。 近年の調査報告では、台風で死ぬゆっくりは99%から70%ほどに減り、 防災の意識は飼いゆ・野良ゆにも浸透しつつある。 上記の訓練成果が得られるように風力パネルを操っている青年は、 真剣な表情のまま、ゆっくり達を映しているモニターを注視し続けている。 その胸には自分の立場を示す施設名の刺繍と、 大の大人が付けるには不似合いな、手作りの小さなバッジが付いていた。 「たった一つの防災体験の良し悪しが、いつか災害に直面する者の運命を左右する……かも知れませんから」 青年の防災へのひたむきさと情熱。特にゆっくりに対する執拗なまでの親身さに起因するもの。 それを明かすには、防災に捧げたたくっさんの日々__その一番最初の出来事までさかのぼる。 『ぼうっさいくんっれん! は ゆっくりできるよ!』 「……今回の防災企画、どうだった?」 廊下を歩きながら、同僚に声をかける。 言ってみただけで、色のいい返事は期待していない。 施設長の機嫌を損ねない程度に取りつくろった評価レポートすら、 今回は提出できそうもないのだ。 「いや、どうもなにも……」 どう言ったものか、といった感じで同僚もうんうん唸っている。 とはいえ、こいつはもうレポートを書き終わっている。 仕事上、自分の『納得』よりも『効率』を優先するその姿勢は、学ぶべきなんだろう。 ……こいつの処世術は好きになれんけど。 「結局、来た人の少なさが物語ってるだろ」 ここは『防災体験センター』。 まあ、日常起こりうる色々な災害を体験したり、災害対策・防災教育を学ぶ所、 と考えてもらえれば幸いだ。 「防災体験館」「防災センター」「市民防災ラボ」「防災教育館」とかいろいろ名称があって、 本当は展示内容や普及内容でちゃんと区別されるけど、 防災の知識や意識を高めるって理念に大した差はない。 ちなみにここは公設民営でやっているので規模はそれなりーだが、 地震体験と火災体験には公的な『防災館』並みに力を入れていると思っている。 「とりあえず、終わった事は置いとけ、な? それより休憩しようぜ休憩!」 この切り替えの早い同僚と話していたのは、 施設長とその近辺の人が企画して、先ほど全日程が終了した、 『ペットと一緒に防災体験!』 についてだ。 企画名通り、犬とか猫と一緒に火事や地震を体験していくものなのだが、 どうも今一つ募集と応募人数にズレがあった。 ペットも家族の一員と言う意見に、異論はない。 しかし、仮に多規模な災害が起きた時、そこまでの余裕があるだろうか。 __まず自分の命を第一に。 __次に両手で救える他の命。 それが家族だったりするし、隣人・友人だったりする。 優先順位は人によって違うが、 自分にはどうにも飼い犬だとかのペットに対して、両手が空きそうにない。 防災に携わる職員として、防災や人命救助に関する訓練を受け、知識を身につけても、 その想いは変わらなかった。 「……やっぱ、すっきり! とはいかないな」 「いいんだよ。思う所は誰だってあるだろ。俺も納得してない! けどまあ需要はあるにはあったし……全員が納得いく企画なんて、そうそう出てこないぞ?」 実際、過去に起きた災害の実状を鑑みるに、心に余裕を持つ事は大切だ。 この企画は余裕を作るための訓練だと、そう思う事にしよう。うんうん。 __自分もペットを飼うようになったら、心境もまた、変わっていくんだろうか? 「「ゆっくりおねがいします! ゆっくりおねがいします!」」 「ああ?」 「んん?」 昼休憩の為、外に出ようと廊下からロビーに出た所で、やけに耳に障る声がした。 受付の前で(この場合、床か) バスケットボールくらいの物が、丸い体をムリムリたわませて懇願している。 その『お願いのポーズ』のためか、黒い帽子がこーろころと横に転がっていた。 __赤いリボンに、黒い帽子。 同僚と眼を合わせる。 お互いにそれが『ゆっくり』だと認識して苦い顔をした。 『ペットと一緒に防災体験!』の企画で、 動物の他にゆっくりを連れて来た客を思い出す。 講習中や訓練中、目に付いたゆっくりは ゲスという言葉でくくるのもどうかと思うほど独善的な振る舞いをしていた。 __マナーの欠けた大人よりも、常識の乏しい子どもよりも。 __ゆっくりというものは性質(たち)が悪い。 防災センターの職員はみな、程度は違えどそう認識するようになったはずだ。 「そうか……そうだな。レポートに、その辺をさらっと書くのもいいかもしれない」 「明るい声の割に、ものっすごいテンション低いな」 企画中、散々飼いゆっくりの声や行動に頭を抱え、 周りのお客様へのトラブルにならないよう、気を回していたのだ。 さらに休憩の出鼻を挫かれることになるんなら、ため息のひとつでも付かせてもらいたい。 「「ゆっくりおねがいします! ゆっくりおねがいします!」」 受付の人が『助けてください……』と書いたような視線をちらっちらっと送ってきている。 いや、『どうにかしてくれないでしょうか……?』って感じか。 ここ数日のゆっくりの目に余る所業は、相当話題になっていたし、 今この場にいる受付嬢は、なんというか、 相手があのゆっくりであっても、手荒いことや冷酷なこととは無縁な印象だった。 その言葉のない救助信号を、無視することはできない。 防災センターの職員は、多かれ少なかれ救助の、善意の心を持っている。 だから、この職場で働いている。 自然と足が前に出て、声を掛けた。 「何か用かな? 飼い主の方は、どこにいるの?」 「ゆっ! お、おにいさん……ゆっくりしていってね!」 「れいむたちのおはなしさん、ゆっくりきいてほしいよ!」 「「「ゆっきゅりおねがいちましゅ!」」」 親のまりさとれいむの間に、ちんまりとした子ゆっくりが声を合わせる。 子れいむが2匹に、子まりさ。計3匹か。 ……それほど、甲高い声や仕草は気にならない。子ゆっくりだからだろうか? というか、いつからあんな憎たらしく増長するんだろう? 「うん。ゆっくりしていってね。 それで……飼い主さんは?」 大方、例の企画絡みだろう。企画への批評や意見。 あるいは今から企画に参加したいとか、かな。……つい先ほど終わっちゃったけど。 「ゆゆっ……れいむたちは……かいぬしさんは……ゆぅ……」 「まりさたちは、こうえんにすんでる ゆっくりだよ!」 口ごもるれいむを見て、父まりさが答える。 「……なるほど。それで、何の用事かな?」 野良ゆっくりなら、特に遠慮はいらないな。 最悪、潰すことになっても問題ないか。トラブルになるなら仕方ない。 まあ、受付の人の精神衛生上と職務上、施設外でやるんだけど。 「「ぼうっさいくんっれん! をしにきたよ!」」 「……んん?」 「「「ゆっきゅりおねがいちましゅ!」」」 __ゆっくりが防災訓練? と誰かが聞いたら笑うかもしれない。 ゆっくりと初めて接したときは、『なんだこのクソ饅頭は!?』と、思った。 今でもそう思う時がある。ゲスにとことん厳しくなったのはこの時の企画の影響だろう多分。 * * * 「……さいっがいさんは ゆっくりできないよ!」 「ここは、さいっがいさんのくんっれん! をするところだって きいたよ!」 この親ゆっくりの話を聞くに、主張としてはこんなとこだろう。 近くの公園に、家族で住んでいる。 まだ記憶に新しい地震の際、とてもゆっくり(避難?)できなかった。 防災館から帰る飼いゆっくりから、ここの事を聞いた。 防災の訓練を受けて、災害時もゆっくり(避難?)できるようにしたい。 「……へえ」 少し面喰ったというか、感心した。 思ったよりも、このゆっくり達は物事を考えていて話も通じる。 この場所は実際に災害が起こり、避難した方を受け入れた地域でもある。 __災害時はゆっくりできなかった。 地震の時はもちろん、その後、続々と避難して来る人の恐怖や不安は、 この家族、特に親ゆっくりには『ゆっくりできないもの』として記憶餡に深く刻まれたらしい。 「かいゆっくりの ありすからききました! ぼうっさいくんっれん! には おかねさんがいるって!」 「まりさたちは、おかねさんは もってません! だから……」 まりさが転がった帽子をくわえて、ぶるんぶるんっと横に振る。 中から、お花や、木の実、ビー玉、ビンの蓋などが出て来た。 「まりさたちの ゆっくりできるものと、こうっかんっ! してください!」 「れいむたちは ゆっくりできないぶん、ぼうっさいくんっれん! をするよ!」 ……この中に、虫とか入ってなくて良かった。主に受付の人の好み的な意味で。 とは言え、防災訓練への対価まで用意してあるのは、素直に驚いた。 受付の子も、何だか微笑ましい顔を見せているじゃないか。 (お前達のセレクトは素晴らしかった! 態度も! 防災意識も!) 「うーん……」 だが、どうしようか。 施設長や課長は、まるで全然取り合ってくれなさそうだ。 企画が終わったばかりだし、好意的に受けてもらえる可能性もあるにはあるが、 あくまで飼い主あってのペット。客は客、ゆっくりはゆっくり。 受付の子も『あの、どうします……?』って困り顔をしてる。 ゆっくりにも慈悲の心を持つ優しさが、痛いくらいに伝わってくるよ! どうする!? どうする! 俺! とはいえ無下に追い払うことは、もう考えていなかった。 これは受付嬢がどうのこうのじゃない。自分がそう思う。 災害へ備えようとする態度に、人間もゆっくりも__ 「やらせてあげればいいんじゃないか?」 無関心、もとい静観を決め込んでいた同僚が口を出して来た。 「どうせ今日は小学校とか、団体さんは午後からだし、午後の体験の時間にはまだ一時間ばかし余裕がある。 俺は、経緯はどうあれ防災の意識があるんなら、やって欲しいな。それが、今回は喋る饅頭だったってだけの話だろ?」 「お前……!」 乱暴で冗談交じりだが、温かい言葉。 防災センターの職員は、多かれ少なかれ救助の、善意の心を持ってる。 だから、この職場で働いている。 「まあ、お前が案内から説明、補助……後片付けもしろよ。俺は知らん。昼飯でも食ってくるわ」 ……善意の心を、持っているはずだ。 * * * 『くんっれん! ① 地震訓練』(ぐーらぐーらさんから かぞくをまもるよ!) 「やっぱ、跳ねるの遅いなー……こんなんで大丈夫か?」 ゆっくりにとってはえんっえん! と続く廊下を一緒に歩いていく。 小一時間あると言っても、あまりゆっくりはできない。 ゆっくりの移動速度なんて知れたもので、訓練の決まりを教える時間もどれくらかかるか未知数だ。 終わった後の掃除・点検もあるし、何より勤務再開までにご飯を食べたい。 この移動中の時間ももったいないので(ただでさえ休憩時間削ってんだこっちは) 訓練を受ける為の提出用紙に、ペンを走らせる。 僅かな時間とはいえ施設の設備を利用するので、 この必要事項を記入する行程は、決しておろそかにできない。 名前は__れいむ・まりさでいいや。 ……思いっきり大切なものを省略しとる気がするが、気にしない。 休憩じか__もとい訓練とはいえ避難は時間との戦いなのである。 地震訓練 (今からやるし、これの為に来たようなもんだからな。○で) 火災(煙)訓練 (○だな。公園に住んでるらしいし、避難の仕方くらいは覚えて欲しいし) 暴風雨体験 (やってやりたいが無理。台風なんて、ゆっくり用雨具が開発されん限りゆっくりには対策しようがない) 津波体験 (スクリーンで津波の凄さを見るだけだから、やってもいいかな。○) 消火訓練 (無理です。除外) 救急訓練 (ゆっくりのできる応急処置って、ぺーろぺーろくらいだっけ? 無理だ) 防災CGシアター (無理。30分も時間がとれない。そもそも人が観る為に作られたもので、ゆっくりの防災意識が高まるか分からん) 利用者の分類は少し考えて、家族に○を付けた。 家族として来ているわけだし、 わざわざ その他( ゆっくり )なんて書かなくていいだろう。 ……いいよね? 「こんなところか」 ゆっくりの家族に聞こえないように呟くと、歩みを止めて振り返る。 緊張しているのは親ゆっくり。子ども達は見るもの全てが新鮮なようで、目がきらっきらっと輝いている。 「……さあ、地震訓練コーナー着いたよ。すぐに始められるかな?」 「「ゆっくりおねがいします!」」 「「「ゆっきゅりおねがいちましゅ!」」」 防災訓練を受けられると知った時の子ゆっくり達の喜びようと、 母れいむと父まりさの感謝の言葉はともかく、こっちには大した見返りはない。 __じゃあ、いっちょやりますかね。 不思議とやる気になっているのは、これも仕事だと考えてしまう自分の性質(たち)からだろう多分。 「さて、これから地震訓れ……ええと、ぐーらぐーらさんが来たら隠れる訓っ練をするよ! じぶ……お兄さんの言う事が、ゆっくり聞けるかな?」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」」 ゆっくりが好みそうな口調と、ゆっくりの理解度を聞き取りながら説明を続ける。 保育園や小学校から訓練に来る子ども達、その言葉掛けの応用なので、さほど苦は無い。 『地震訓練 地震体験コーナー』 ぐーらぐーらさんは、とってもゆっくりできないよ! ぐーらぐーらしたら、すぐにゆっくりプレイスにかくれてね! ゆっくりできるようになるまで、ぜったいに でちゃだめだよ! ゆっくりは、簡単な事でも複数は覚えられないらしい。 加えて、時間が過ぎればうんうんと共に排出されてしまうという。 なので最低限度の3つだけ繰り返し復唱させて、一時的にでも覚えてもらった。 ゆっくりの性質上、知識よりも体験してもらうのが手っ取り早そうなのは幸いだ。 記憶餡に刻まれるかどうかは、この家族次第ってとこかな。 「それじゃあ、訓っ練を始めるよ! ゆっくりできないかもしれないけど、 ぐーらぐーらしたら落ち着いてゆっくりプレイスに隠れてね!」 「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」」 地震体験では、揺れを体感できる地震体感装置を使う。 机、椅子、棚、冷蔵庫、窓、台所、ドアなど、家庭の食卓を模して作ってあり、 その下で疑似的に揺れを生じさせる装置がある。 今回、このゆっくり達は公園に普段住んでいるというので、 それに近い環境を作るため、わざわざ机と椅子は取り外してある。 代わりに食卓の中央には簡易的なゆっくりハウスとして、段ボールをおいた。 この段ボール(自販機の缶ジュース用、大きくて強度のある奴)はゆっくりにとって相当よい物らしく、 セッティング中、親ゆっくりにはずっと羨っ望! の眼差しとやらで見られていた。 ……正直、だいぶ疲れた。 力なく、地震を操作するパネルに触れてマイクに向き合って声を出す。 『あー、あー……よし、それじゃあ、ぐーらぐーらさせるよ? ぐーらぐーらが収まったら、出てきてね。その後でまたぐーらぐーらさせるから』 「「ゆっくりりかいしたよ!」」 てんっじょうからお兄さんの声がするよ! などの声が無いのは幸いだった。 親ゆっくりは極度に緊張しているし、子ゆっくりは物珍しい家の家具などに意識を集中していたらしい。 「かぞくは まりさがぜったいっ! まもるよ!」 「「「おとーしゃん!」」」 「まりさぁ……!」 ゆわああ! とあがる歓声。微笑ましい光景とは思うが、 今は休憩時間を家具や段ボール設置に費やしたがっかりー感の方が強い。 『震度……ええと、それなりー』 ゆっくりには震度1とか2とか分からないし、3以上はたくっさん! で数えられないんだ確か。 感覚的に伝わればいいや。 「……ゆっ! みんな! ゆっくりぷれいすにかくれるよ!」 「おちびちゃんたち! ゆっくりしないでかくれてね!」 微弱な振動でも鋭く反応する親ゆっくり達。 自分の体で押すようにして、子どもを段ボールに誘導する動きはなかなか迅速でいいじゃないか。 油断なく身構えている親ゆっくりに、子ゆっくりもごっきゅりと砂糖水をのむ。 ほどなくして、それなりの揺れはさらに小さくなり、完全に収まった。 「ゆっ……? もうおしみゃい……なのじぇ……?」 「……きょれがぎゅーらぎゅーらしゃん?」 「このちぇいどにゃの? ばきゃにゃの?」 子ども達はあまりの呆気なさに不思議そうな顔をしたり、小馬鹿にしたりしている。 「れいむ? ぐーらぐーらさんって……」 「ゆ、ゆぅ……おかしいよ? あのときは もっともっとぐーらぐーらしてたのに……」 親ゆっくり達も困惑している。 まりさは家族を絶対に守るよっ! と宣言した手前、少し恥ずかしそうに帽子を眼深にかぶってしまい、 れいむは自分をちらっちらっと不安そうに見てきた。 「あの…… おにいさん?」 『今のはそれなりー、のぐーらぐーらさんだよ。まだまだこれから強くするから。油断しないようにね』 「ゆ、ゆうっ! ゆっくりりかいしたよ!」 「「「ゆっきゅり りきゃい しちゃよ!」」」 父まりさが再び気を引き締め直したので、子ども達も声を揃える。 しかし訓練前の返事とは違い、多少の楽観が混じっているように聞こえた。 『震度……んんと、ゆっくりー』 先ほどより強い揺れ。 とは言え、天井から吊り下げた電灯模型の吊り紐がゆっくりと揺れる程度だ。 「……ゆうっ! ぐーらぐーらさんだよ!」 「れいむといっしょに ゆっくりぷれいすにかくれてね!」 再度声を掛ける親ゆっくりに応じて、さっきよりも悠長に子ゆっくりも動く。 そう言えば、最近じゃゆっくり用の防災ヘルメットもあるらしい。 まりさつむりの殻程度の固さで、まりさの帽子並みの軽さを実現化したとかなんとか…… 防災センターにはゆっくり用の備えがないし今回使うつもりもなかったけど、 ゆっくりがヘルメットをかぶる姿は、なんかシュールだよなあ…… なんて考えている間に吊り紐の振れ幅が緩慢になっていき、やがて微動だにしなくなった。 一番初めに動き出したのは子ゆっくり達で、勝ち誇ったようにとび跳ねて出て来る。 「まりちゃは きょのちぇいどの ぎゅーらぎゅーらで、びきゅとも しにゃいのじぇ!」 「ゆぷぷっ……きょれじゃ、ゆーらゆーらしゃんだにぇ! ゆっくち!」 あら、増長しだした? ……ゆっくりの悪い癖の1つだよなあ。 ひとくくりにして悪いけども。 「あそばないの! これはくんっれんっ! なんだよ!」 「しんっけんっ! にやらないおちびちゃんは、ゆっくりできないよ!」 父まりさのゆっくりできないよ! の言葉も効果的には響いていない。 実際、大した揺れとも言い難い震度だし、子ども達が真剣に取り組まないのも仕方が無い。 子ゆっくりはぽっぺを『ぷくー』と張らせて不満を表している。 「れいみゅたち、ゆっくちしちぇるよ!?」 「おとーしゃもおかーしゃも、なんだきゃ ゆっくちしてにゃいのじぇ……」 「きょれは きゅんっれんっ! にゃんだよ!(キリッ)」 うーん。 状況が状況なら、父まりさの表情を読んでしーしーをもらしそうなくらい萎縮してもおかしくないんだが。 父の威厳を損なっちゃあいかんな。 それは家庭にとって無ければ崩れる『支え』だ。日常においても、非日常においても。 子どもの頃の父親を鑑みるに、どうもそう思ってしまう。 そしてパネルを操作する指も、不思議とそこに行きついてしまう。 『震度……ゆんやあ、で』 「……ゆ゙っ……?」 ゆっくり家族全員の動きが止まる。自分以外の力で、大きく左右に揺さぶられている為だ。 補強していない窓ガラスが割れたり、ブロック塀が落ちてきたり、道路や地面にヒビが入る事もある程度の揺れ。 「な゙に゙ ぎょ゙れ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!?」 「ゆ゙ん゙や゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙! おどゔしゃんん゙!」 「れ゙ー゙み゙ゅ゙ ぎょ゙わ゙い゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!」 子ゆっくり達の阿鼻叫喚。 さっきまでのドヤ顔が、もう顔全体の泣きっ面だ。 「おちびちゃんたち、お お お おちついてね!?」 「ゆ ゆ ゆ ゆっくりひなん! するよ!」 あまりの振動に、まりさもれいむも動揺してる。 おちび達もそれを聞いているのかいないのか、一目散にゆっくりプレイスへ跳ねようとしているが、 揺れによる慣性が働いていて、跳ねると全く見当違いの方向へ跳んでいってしまう。 ダンボール箱はガムテープで底部を固定しているため動く事はないが、ゆっくり達は別だ。 うまくゆっくりプレイスまで跳ねる事ができないことで、さらなるパニックに陥る子ゆっくり達。 「お゙ゔぢしゃんん゙!? どぼじでにげるのぉぉぉぉぉぉ!?」 「ぎゅーら゙ぎゅーら゙で ゆ゙っ゙ぐぢでぎな゙い゙ぃ゙ぃ゙!」 「い゙ぢわ゙る゙じな゙い゙で びな゙ん゙ ざぜでぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!」 ゆっくり家族、大混乱の様である。 まあ頑張った方だけど、これがゆっくりの限界かな。 __そう思ってパネルを操作しようとして、父まりさの声が響いた。 「おちびちゃんたち! おとうさんのおくちにつかまってね!」 「おかあさんについてきてね! すぐでいいよ!」 おお。 振動に影響されにくい、ずーりずーりで這いながら、子ども達を捕まえて避難させてる。 いいねいいね。 ゆっくりの基準で言えば、模範的なレベルなんじゃないか? ゆっくりの避難基準なんて誰も決めてないけど。 「も゙ゔや゙だぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!」 「お゙ゔぢがえ゙る゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙!」 揺れが収まったあとも、ゆっくりプレイスの隅っこで がーたがーたと震える子ども達。 ぺーろぺーろで落ち付かせようとする母れいむも、いつまた揺れるか外を警戒する父まりさも、 ともにここ数日間で固まりつつあった、ゲスでタチの悪いゆっくりの印象とは違って見えた。 とは言え、本当に追い詰められなければ人の本性はさらけ出されないもの。 その辺はゆっくりも同じなんだろうか? 『では震度……ゆぎゃあ! で』 「……ゅ……! ゆひっ……!?」 この揺れは訓練だから、まずゆっくりと落ちついて欲しい。 この訓練を終えたとき、君たち家族は、きっと言葉では言い表せない 「教訓」みたいなものを皮で感じてくれると思う。 殺伐とした災害の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい。心からそう願っている。 じゃあ、避難を始めて欲しい。 きっとその段ボールからは、自分の意思とは関係なく跳び出すことになるだろうから。 「「「「「「ゆぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!?」」」」」 感情を激しくゆり動かしながらの訓練は、どんな知識や訓練よりも強烈に餡子へ刻まれる。 この場合、体ごとゆり動いてはいるのは置いておこうか。 「ぎょ゙わ゙い゙い゙ぃ゙ぃ゙! ゆびゃ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!」 「ぼゔや゙べで゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!」 「おしょらをっ! とん゙で゙り゙ゅ゙ゔゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙!?」 ピンボールのように弾かれて部屋から部屋へ転がる子ども達を、まりさもれいむも転がりながら捕まえて、必死でゆっくりプレイスに押し込む。 それからまた弾かれて跳び出ようとするので、まりさもれいむも必死で『ぷくぅー』をして、入り口を塞ごうとする。 どうやら、大きめの段ボールが災いしてしまったようだ。 ちょ、おま! 子ゆっくり達がしーしー漏らしてる。……掃除のことは考えてなかったな。 しーしーは砂糖水と変わらんから片付けは簡単だけど、 うんうんはカーペットに擦り付けらると不味いな(掃除が) そろそろ止めようか、と思った時、 子ゆの中で一回り大きい姉れいむが親の隙間からむりっむりっ! と顔を出し、自分で勝手に跳び出した。 「ゆぷぷっ! おにーしゃんのいるとこりょは ぎゅーらぎゅーら してないよ! てんっさいっ! のれいみゅは ゆっくちしないでにげりゅよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 あ。 測ったかのようなタイミングで、タンスの上に乗せてあった硬スポンジの箱が揺れて落ちてくる。 落下地点は、こちらに向かおうと凄い形相でずーりずーりしてくる姉れいむの頭上にぴたりと一致した。 「ゆ゙びゅ゙……!」 箱の角の形そのままに、姉れいむは潰……いや変形した。 無論硬いスポンジ箱は、ケガのないように申し訳程度の重さになっていて、 保育園の年少さん(3歳児)が当たっても泣きもしなかったくらいなのだが。 『ええー……』 思わずドン引きの声が出てしまった。 ゆっくりって、こんなに弱いのか。これじゃ災害時、逃げまどう人に蹴られたら瀕死レベルじゃないか。 人間の縮図でいうなら、パニックになった人がたどり着く末路と言った感じだ。 それで人より先んじて助かるケースもあるけど、 やっぱり災害時のマニュアルは、落ち着く事と命を最優先にしてるだけあるや。 「「だれか、おちびちゃんをたすけてぇぇぇぇ!」」 弾かれたようにオレンジジュースを買いに自動販売機に走る、若き防災センター指導員。 只今休憩時間中である。 潰れた姉れいむは多少餡子を吐いた程度なので、オレンジジュースを掛ければすぐに回復した。 母れいむも、どこぞのゲスと違い状況を把握していたのか、自分への非難は出ず、 とびだしたらあぶないよ! ぐーらぐーらさんが とまるまで ゆっくりまってね! と声をかけていたので、地震体験訓練はこれにて終了。 あとは自分の上がった息を整えるだけである。 * * * 姉れいむにオレンジジュースを与えていたので、時間は大分かかった。 親ゆっくりには額に跡が付くくらい、土下座スタイルで感謝されたので良しとしよう。 ……そう思わないとやってられん。 『くんっれん! ② 火災訓練』(めーらめーらさんから かぞくをまもるよ!) 「さて、これからめーらめーらさんや、もーくもーくさんから逃げるための訓っ練をするよ! お兄さんの言う事が、ゆっくり聞けるかな?」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」」 『火災訓練 煙体験コーナー』 めーらめーらさん、もーくもーくさんはとってもゆっくりできないよ! もーくもーくさんで一杯になって、よく視えない体験室から避難してね! 白くぴーかぴーかしてるライトさんのある所を通れば、ゴールにつくよ! 「それじゃあ、訓っ練を始めるよ! ゆっくりできないかもしれないけど、落ち着いて出口さんを探してね! 「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」」 ドアを開けて、ゆっくり達に入るよう招いた。 意を決したように先頭に立った父まりさはともかく、 おちびちゃん達__特に一番小さい妹れいむは、好奇心の方が勝っているようだ。 大丈夫かな。というか、さっきの事故が教訓になっているのか心配になって来た。 「ゆっ! おちびちゃんたち! おとーさんから はなれちゃだめだよ!」 「おかーさんたちに、ゆっくりしないでついてきてね!」 制御室のモニターを見る限り、先頭に父まりさ、次いで母れいむが勢いよく跳ねている。 真剣な面持ちから察するに全速力なんだろう。……まあ、カタツムリの80倍は速いんじゃないかな。 「……おとーしゃ、ゆっくちまってにぇ!」 「れーみゅはにんげんしゃんのおうち、たんっけん! しゅるよ!」 「まりちゃは かぜしゃんになって きゃけぬきぇるのじぇ!」 子ゆっくり達は好奇心旺盛だ。その辺も子どもと変わんないな。 本当は、まりさが先頭なられいむは最後尾の方がいいんだけど、隊列も教えれば良かったかな? 「まりさ! おちびちゃんたちは だれもおくれてないよ! つぎは__」 「つぎはここをまがるよ! ゆっくりきけたかな?」 「「「ゆっきゅり りかい しちゃよ!」」」 若干の不安要素を残しつつも、ゆっくり一家はぴょんぴょんと歩みを続けていく。 誘導灯さえ見ていれば、多少曲がり角はあっても一本道のようなもんだしね。 「れーみゅ、まっきゅらで きょわいよぉ……」 「ぴーかぴーか があるから、きょわくないのじぇ!」 公園での避難という想定にしたから、ドアもさっき全て開けておいたし、 煙も午前中に焚いたままのが僅かに残っている程度なので、ゴールまで進行を遮るものはない。 おちびちゃんはともかく、親は真剣そのものだ。 実際の災害を想定するという、思い込みの力でも働いているのだろうか。 やっぱり、多少ゆっくりへの認識を改めてもいいかもしれない。 「「「ゆわ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!?」」」 「もーくもーくさんがきたよ! ゆっくりしないでにげるよ!」 「で、でもゴールさんはあっちだよ!?」 んん? 煙が進行方向から漂ってきてるな。 「新しい煙は出してないのにな……あ!」 誘導灯から外れた道に、行き止まりの部屋がある。 扉を閉め切っていて中に残っていた煙が、扉の開放で避難ルートまで移って来たらしい。 「まあ、ゆっくりの背丈じゃ、天井近くの煙なんて吸い込みようが……」 「れ゙ー゙み゙ゅ゙ げむ゙い゙よ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙! ゆげっ……ゆ゙え゙っ……」 「げほっ! ゆ゙ぼぉ゙! ごれ゙ どくの゙げむ゙り゙い゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!?」 「ぐる゙じい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙! ゆ゙っぐぢ でぎに゙ゃい゙の゙じぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!?」 そんなこたあ無かった。 激しく咳をし出す妹れいむ。 それが他の子ゆっくりにも次々に伝わっていく。 この煙は(と言っても単なる発煙剤だが)、視界を阻害するだけで 人間、動物ともに無害のはずなんだけど…… ゆっくり特有の思い込みが、煙は『ゆっくりできないもの』だと認識してしまっているようだ。 あの背格好、速度はともかく煙からの避難にはすごく向いてるのに。 「おちびちゃんたぢぃ゙!? ゆ゙っぐり゙じでえ゙ぇ゙ぇ゙! ぺーろ! ぺーろ……!」 「「「ぺーりょぺーりょ じでる゙ばあ゙いかぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!?」」」 災害時の混乱や情報錯綜の伝播を見ているようで、胸が痛む。 思い込みが混乱を生み、混乱が恐慌に変わる。 意思の疎通ができる以上、非常事態な時ほど安易な『納得』が欲しいものだ。 人間も、実際の災害では似たようなケースが往々にして有る。 情報が伝わるうちに、悪意が混じったり、事実でない噂が広がったり…… 「みんな! ゆっくりきいてね!」 父まりさの声がモニター越しにはっきりと届く。 「ばりざぁ……」 「「「ゆ゙っ゙ぐぢ じでる゙ばあ゙い……!」」」 「おとーさんのいうことが、ゆっくりきけるかな?」 その声は煙が周囲を取り巻いてもなお、ゆっくりしていた。 正確に言えば、語調も強くゆっくりしているとは言えないが、慌てふためいた声ではなかった。 「ここからひなんっ! するよ! れいむは ぴーかぴーかさんをみて さきにすすんでね! まりさは おちびちゃんたちを おぼうしさんと おくちさんのなかにいれて はこぶよ!」 ゆっくりりかいしたよ! の言葉を待たず、まりさは帽子を取って子まりさを見て招いている。 子まりさも咳き込みながら、お父さんの頭に乗り、子れいむたちも進んで口の中に入る。 普段、何度か訓練をしているらしく、ぎこちはないものの全員淀みなく指示に従っていた。 「おお……」 れいむの先導で動く家族をみて、思わず声が漏れた。 訓練を受けるに当たって、前もって練習をしてくれていたことへの感嘆と、 1つの声が始まりとなり、混乱や恐慌を招くのと同じように、 団結や安心を呼び込むのもまた、1つの声が始まりとなり得ることの再確認。 人間の縮図を見ているようで実際は似て非なるものだが、 それの程度が下だとも、言う気はなかった。 ……拍手を贈ってあげたいが、その前にゴールまでゆっくり達の評価をしてやらないとな。 子ゆっくり達を口の中に入れようとするのは、ゆっくりが自分の子どもを危険から守る時の、本能的行動だったな多分。 帽子に入れるのは……口じゃ3匹分のスペースが確保できないからだろうか? まりさ種特有の行動までは詳しくないが、 煙を吸わせない 自分の体を盾にできる そのまま子どもと逃げることができる。 ……といった効果が見込めるので、ゆっくりだからこそ培われた本能行動に違いない。 「おお、速い速い!」 先頭で跳ねるれいむもだが、後に続くまりさもほぼ同じ速度だ。 子ゆっくり達を運んでいなかったら、まりさ種は人間のほふく前進並みに速いんじゃないのか? __火事場の馬鹿力ならぬ、火事場のゆがぁ力! ってところか。 これがすぐに疲れないで持続できるなら、避難に関しては及第点だ。 逃げる際に困難があった場合、子どもを置いていく、 口に含んでいても吐き出す、その他もろもろの予想は全て外れてくれた。 まりさとれいむはゴールに着いた勢いで派手に転がりこみ、待機していた自分の足にぶち当たる。 横たわって息を吐いているまりさの口と帽子のスキマから、子ども達が出てきた。 親ゆっくりの口の中や帽子の中は、子ども達にはとてもゆっくりできるものらしい。 そう聞いていた通り、煙の影響はすっかり消えて上機嫌そうな顔ぶれだ。 __眉毛をキリッとしてるのはさすがにどうなんだろう……? まあいいか。 「よく出来ました! じぶ……お兄さんは嬉しいよ! さて、これで火災訓れ…… ……もーくもーくさんから逃げるための訓っ練はおしまいです! ゆっくりお疲れさま!」 拍手を贈ってあげたいが、その前に…… 「ゆはぁ……ゆはぁ……ゆっくり……ありがとう……ございました」 「ゆぜぇ……ゆぜぇ……つぎの……くんっれんさんを……おねがいします」 自販機でオレンジジュースを買ってこないと。ヤバい。超ヤバい。 主に親ゆっくりの体力回復と、自分の休憩時間を確保するという意味で。 そうして休憩時間を削りながら新米の防災センター指導員は走る。 その真剣さ、機敏さ、ひた向きさはまさに防災センターの象徴のようである。 親ゆっくりには額の皮が剥げ落ちるくらい、土下座スタイルで感謝された。 まりさの帽子が廊下に押しつけられて歪みまくっているが、大丈夫なんだろうか。 * * * 『くんっれん! ③ 津波訓練』(『ざーぶざーぶさんから かぞくをまもるよ!』) 自分は防災センター受付近くのテーブルで、頭を抱えていた。 信じて津波訓練させたゆっくり家族が最新の防災センターの津波映像にドショックを受けて 子れいむ姉妹が『アへ顔ダブルしーしー状態』から現実へ戻ってこないなんて…… いや、正確に言うならば、さきほど回復はしたのだ。 ほとばしるしーしーで干からびつつあった子れいむ姉妹に慌てる場面もあったが、 オレンジジュースを浴びせ&飲ませ続けて、ようやく正気を取り戻すことに成功はした。 強い思い込みを解くのにも、オレンジジュースは有効なのかもしれない。 親ゆっくりにはお腹(?)が変形するくらい、土下座スタイルで感謝された。 そんなに折り曲げてめり込ませて、中身とか大丈夫なんだろうか…… 「終わった……」 防災訓練が、とか、休憩時間が、とかというレベルじゃない。 自分の防災センター指導員としての人生が終わった。 「もう午後の勤務時間だよ……大学サークルの団体さんとか、小学校の団体さんとか来ちゃうよ……!」 自分と同僚の午後始めの仕事は、団体さんの指導と案内だ。 それは全然問題ない。あと5分10分かそこらで子ども達を乗せたバスは到着するだろうが、 ご飯抜きでも休憩なしでも頑張ってやれないことはない。 問題は__ 「後片付け……全然できてないよ……!」 津波訓練後、ひたすらに子れいむ姉妹回復のための救助活動に奔走していたため、すでに休憩時間は終わり、 各訓練箇所には担当の指導員が戻り、準備をしている時間だ。 いまさら、 『あ、汚れててすみませんねぇ。実はゆっくりに防災訓練をさせてまして。片付け出来てませんでしたぁ』 では済まされない。 良くて始末書&減俸・評価の大幅ダウン。悪くて転属勤務or退職。 どちらにしても。 「終わった……我が生涯に一っ片の悔い無しっ! な俺の綺麗で輝かしい防災センター指導員経歴が……」 途方に暮れている自分よそに、ゆっくり家族は受付の子に防災訓練の完了を表彰され、 手作りのピンバッジをリボンや帽子に付けて貰っている。 防災センターにある既製のバッジでは大きくて重いと思ったのだろう。 厚紙を丸く切り、色鉛筆と色ペンで『ぼうっさいくんっれん! は ゆっくりできるよ!』と書かれている。 よくよく見れば、小さくまりさやれいむの集まった家族の絵まで描いてあるじゃないか。 受付の子がわざわざ休憩時間を割いてまで、作っていたようだ。 防災センターきっての癒しである、受付の子。惚れてまうやろ……。 あかん……その優しさが今は五臓六腑にしみわたるでぇ……。 俺もひとつ欲しいくらいだ。あの絵とロゴ、コピーとかとってないのかな。 あんなに嬉しそうなゆっくりの顔なんて、初めて見た。 こういう風に表彰されて、周りから称賛されるのも記憶餡(?)に残るのなら、 飼いゆ・野良ゆ関係なく、頑張りや能力に応じて色を変えたバッジを貰える制度、なんてのもいいんじゃないか? 審査とか、試験の練習とかが大変そうかな。ゆっくりに理解させるのも一苦労か。 バッジ制作、審査のマニュアル作り、宣伝、維持費……ゆっくり専用の法人か団体を作るレベルだなこりゃ。 ゆっくり募金なんてのもないし、無償じゃできないから、野良のゆっくりには何か対価としてさせる仕事とかあればな。 いや、でもなにをさせればいいんだろ野良っていったって全部がこんな善良なゆっくりじゃないし前途多難だ。 でもこんなに他を思いやれる個体が、そこらのゲスと同じような扱いや境遇って個人的に納得がいかないってゆうかあんましいい気がしないしそれに__ ……ドヤ顔でないゆっくりは、人間の子どもと変わらないんだよなあ。 顔じゅうにうれしくってたまらない喜びがあふれ、それに次いで誇らしさ。 保育園とか小学校の運動会、かけっこで頑張ったあと初めて貰った金メダル、って感じの顔だなありゃ。 ってそれは子どもの時の自分の記憶か。 よし☆ 現実逃避終了☆☆ ひとまずそれぞれ配置に着いている指導員にありのまま報告して、 団体さんが来るまで掃除を手伝って、施設長への報告は団体さんが訓練終わってからにしよう。そうしよう。 帰るゆっくり家族に一声掛けたかったが、受付の子が送ってくれている。 文句は言わせんぞ。防災センターの誇る(個人的には)世界一の見送りサービスじゃあ! その風景を横目に、華麗に火災訓練施設へダッシュ。 我ながらいい動き。感動的だな。 だが、目の前に休憩帰りの同僚が突っ立っていたので、一歩目から頓挫した。 「うぇ、ちょ、おまっ」 「片付けだろ? 休憩がてら、やっといたぜ」 「え……? え?」 「いいから落ちつけ、な? 団体来る前に、これでも食っとけ」 胸に押しつけられたのは、お茶のペットボトルと赤飯おにぎり。 不満とか不平とか懇願とか困惑とか、いろいろ言いたかったことが宙ぶらりんになる。 「ど、どどどどう……」 「童貞ちゃうわ? いやいやどうしてかって? いいからお前はおにぎり(赤飯)食べろ、な?」 「……どうなってんの?」 「だからもうすぐ団体が来るだろ。さっさと食べちまえ。いつもの通り、説明は任せるわ。子どもは苦手だよ」 片付けはしておいたから。という同僚の言葉の解説を、 おにぎりをむぐむぐ食べながら一方的に喋らせたった。 この処世術にやたら長けた同僚は、各施設の片付けと事前準備を完っ璧にこなし、 施設長に報告(密告)しないと思われる指導員には事のあらましを伝え、 『いやあ組んでる同僚の見落としを、さり気なくケアするのも仕事っスから』的なセリフを言い残して来たらしい。 (マジで如才ねえな) 「もう団体さん来るぞ。早く食べろハリーハリー。小学校は2クラス、大学のサークルが中規模。 ……俺は大学サークルの方々をエスコートして差し上げるから。ガキは頼む」 __まあ、適材適所なんだが、隙があれば女性を口説くのはいただけない。 この同僚。ほとんどは気分良く訓練を受けられるようにって観点での軽口だが、 たまに真剣のときがあるからな……(なんで上司や施設長にバレねえんだ) 「まあ、いつもの通り。子どもは任せとけ」 「おう」 オーケイオーケイ。いいですとも。 乳幼児を抜かした、3歳児から中二病の子まで? なんなら防災の紙芝居付きでやっちゃうよ!? 「防災訓練でお前が右往左往してたのを見てたが……大丈夫かな あの家族は」 「なにが?」 「いや、なにがってのも無いんだが……」 いつもより歯切れの悪いこいつは、いつもよりテンションも低い。 あの饅頭ども~とか言ってる方がまだ普段の同僚らしい。 赤飯うめぇ。 「んん? どした?」 「あの饅頭ども……なにかあった時、うまくやっていくと思うか?」 「……」 「黙るなよ……」 「そうは思わない。けど、うまくやっていくと思いたい」 「……なんだそりゃ」 同僚の困惑も最もだが、少しだけ待ってほしい。 受付の子が、ゆっくりを見送って受付の持ち場にいま戻ったんだが、 通り過ぎる時、自分達に話し掛けようとしてくれなかっただろうか? そして今もちらちらとこっちを見ている、ような…… 受付の子、コンビニによくある缶コ―ヒーとサンドイッチ的なものを持ってた、ような……? 「なん……だと…………?」 あの子は休憩時間中、昼食はとっただろうし…… というか、あの子はいつも手作りのお弁当だったはずだ…… わざわざコンビニで買ったってことはつまり…… 「フラグ折れた?」 「なに言ってんだお前?」 そしておにぎりを食べ終わった時、受付の子と目が合った。 しょんぼりー、と声に出したように受付の子の表情が沈んだ。 あんな顔もするんだー。かわいいなー。 いつも誰にでも微笑んだ顔を向けてる印象が強いから尚更そう感じた。 いつかは、幸せいっぱいの笑顔を拝みたいもんだ。 「フラグ折られた? お前のおにぎり如きに?」 「さっきからなに言ってんだお前は」 今日は勤務終わったら、こいつの奢りで何か食いに行こう。無性にそう思う。 いや、逆にあの子と食事できるチャンスなり! 今回降ってわいたような事を 話題に、楽しく食事できれば……! いやいや、いきなり二人でなんて迷惑か。 今日は3人で共通の話題『ゆっくりと防災訓練』があったんだ。やはりこの3人で行くのが筋だろう。 「サンドイッチとコーヒーのタイミングを逃した事は……末代まで呪うがな」 「おーい。……茶化すなよ」 「茶じゃねえよ! コーヒーだよ! 俺が世界一飲みたい缶コーヒーだよっ!」 そう言いながら、先ほどのゆっくり家族のことを考えていた。 おどけている同僚も、がっくりしている受付の子も、自分と同じようなことを考えてるんだろう。 『なにかあった時、都合良く助かるとは思わない。けれど助かってほしい』 例えば防災の知識をもったものが避難しようとして、その行動で助かるのは、1人いればいい方だ。 だから上手くいかない場合が多い。確率的には。 そして不幸なことに、ゆっくりしてるときも、ゆっくりしてないときも。 大半の人は、ゆっくりにやさしくない。 日常であれば、歩行者・自転車から車に潰されたり。それが故意でも不慮でもゆっくりには抵抗しようがない。 非日常であれば、さらに危険の度合いは跳ねあがる。 防災や、救助に関わる人は、知識や技術の他に伝えられるものがある。 ニュースや新聞記事では、人々の目に入ってこないものもある。 災害で亡くなった人の人数は数字で出ていても、死体が映像や写真には出てこないように。 災害後に起きた周辺犯罪なども隠ぺいされる傾向があるし、 優先されて報道されるのは、復興や希望を印象付けるエピソードだ。 それは、その方が良い影響を巷に与えるからに過ぎない。 大規模な災害がある時、その付近のゆっくりは激減する。 災害から逃れられなかったとか、ゆっくりできない雰囲気によりストレスで死んでしまうなどと一般には伝えられている。 実際は違う。 共に逃げる人に踏みつぶされ、助けを願っても無視され、 避難民の非常食となり、荒んだ人間にはストレス発散のはけ口となる。 もちろん、その記事も間違いではないが、全てでもない。 伝えずにどうなる事でもないし、知って何かが変わるかと言えば、何も変わらないだろう。 事実は隠され、数字や差し障りのない記事になって伝わっていく。 そこでは人間もゆっくりも扱いは変わらない。 「……まあ、何かがあった時、少しでも覚えた事が足しになりゃあいいよな?」 「ここは災害を知るところで、教える所だしね」 外で車のブレーキ音が響いた。 この職場でたまに聞く大型送迎バスの音なので、どうやら同僚より自分の出番の方が先だったらしい。 午後の仕事も頑張ろう。頑張って、防災の意識と知識を少しでも多く伝えよう。 それが防災センターの職員の仕事で、多かれ少なかれ救助の、善意の心を持っている人にしかできない仕事で。 だから、この職場で働いているのだ。 (終わり) ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。 地震や津波さんは本当にゆっくりできないよ…… 防災訓練や非常用袋など、備えがあればゆっくりできますよー 防災体験をしたゆっくり家族がその後どうなった、ですか? 2回くらいささっと冒頭と文末を流し読むと何となくイメージ出来るかもしません。 最後に手短ではありますが、 作品の良かった所、悪かった所を過去作・今作で伝えてくださった方、ありがとうございました。 自分にとって、どのような言葉でも励みにして、ちょこちょこと作品を手掛けていきたいと思っています。 まず読んでもらう事。次に批評をしてもらえること、 そしてなにより作品に関していくつか考察して頂けたこと。 作り手にとって、「ああ、本当によく読んでもらえているんだなあ」 としあわせー、な気持ちにさせて頂けて、感謝しています。 この作品を読んでくださって、ありがとうございました。 今まで書いたもの anko3868~3872 しあわせ家族とお姉さん1~5 anko3989 ゆ゙んや゙ぁの鐘 anko4292 ぽっぷこーんさんをつくるよっ!
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/2050.html
律「…って何コレ」 和「何って、学園祭の企画だけど」 律「いや、そうじゃなくて」 和「1日目だからライブには影響ないわよ」 律「いや、何で私たちが知らない所で決まってるの?」 澪「そうだよ、急にこんなこと言われても…」 和「もちろん、相談しようとしたわよ?」 紬「じゃあ、何で?」 和「律が部長会議を全部すっぽかすから相談できなっかたの」 律「…」 和「それで山中先生に相談したら快くOKしてくれたのよ」 澪「それにしても一言ぐらい…」 和「山中先生が秘密にしておいたほうが面白そうだからって」 澪「…」 和「それじゃ、詳しいことはこの企画書に書いてあるから」 ばたん 律「…えーと、皆さん…」 唯澪紬梓「…」 律「…申し訳ありません」 澪「…まあ、こうなったら仕方がない。企画書を見てみよう」 梓「何々…『山中先生と私こと真鍋和が選んだ3人の候補者の中から1人優勝者を決めてください』」 紬「これだけ?」 唯「どんな人が来るんだろう…」 一同(不安だ…) <当日> 和「それじゃよろしく頼むわね」 澪「あ、その前に聞きたいことがあるんだけど」 澪「何でこんな企画が通ったの?私たちそんな有名でもないし…」 和「そんなことないわ。あなた達、結構有名よ」 律「そうなの?」 和「去年の学園祭のビデオが澪のファンクラブを通じてかなり広まってるみたい」 澪「え」 和「だから候補者選びが大変だったわ…。って、そろそろ時間ね。それじゃ」 澪「終わった…人生…」 律「…なあ、唯」 律「和ってS?」 唯「さあ…」 ~~~ 和「さあ!遂に始まってしまいました!本日の目玉企画、今話題沸騰の注目バンド、放課後ティータイムと一緒に演奏しちゃおうコンテスト!! 和」「司会は私、生徒会長、真鍋和でーーーす!!」 律「テンション高いなあ」 紬「ストレス溜まってるのかしら…」 和「それでは早速いってみましょーう!最初の方どうぞ!」 ジャジャジャーン ブルック「ヨホホホホ!どうも皆さんごきげんよう!」 ブルック「『死んで骨だけ』ブルックです!」 澪「ヒイーーー!!」 律「いきなりすごいのが来たな…」 和「こんにちは!ブルックさんはガイコツですが何で動いてるんですか?」 ブルック「ヨホホホホ!私、実は数十年前一度死んだのです!」 和「なるほど!一度死んで生き返った!それはすごいですね!」 律「何で普通に会話できてるんだ…」 ブルック「ところでお嬢さん!」 澪「ハ、ハヒッ!」 ブルック「縞パン見せてもらってよろしいですか?」 澪「」ボーン 梓「ああっ、澪先輩が!」 律「ガイコツとセクハラの二段攻撃にたえられなかったんだな」 ブルック「45度!」 唯「わ~、面白~い!」ぱちぱち 唯「この人優勝にしようよ!」 紬「そうね~」 梓「演奏きかないんですか!?」 ブルック「ヨホホホホ!それでは演奏をきいてもらいましょうか…」 律「バイオリン…」 梓「ロックバンドなのに…」 ブルック「眠り歌・フラン!」 ~♪~~♪~~~♪~ 紬「いい曲ね…」 律「何だか…心が安らぐ…」 梓「そうですね…、少し…眠く…なって…きました…」 和「ぐーすかぴー」 ~~~ ブルック「…いかがでしたでしょうか?」 ブルック「…あれ?皆さん寝てらっしゃる…」 ブルック「ヨホホホホ!私としたことが、何という選曲ミス!」 チョッパー「お~い!ブルック~!」 ブルック「おや、皆さん」 ロビン「コンテストは終わったの?」 ブルック「ヨホホホホ、とても楽しい時間をすごす事ができました」 ロビン「それはよかったわね。でも、そろそろ出発しないと…。海軍が気づいたみたい」 ブルック「そうですか…。実にお名残惜しいですが…」 ブルック「ヨホホホホ!さようなら!小さな音楽家達!」 ~~~ 澪「はっ!…夢…?そうだよな、ガイコツが動いたりセクハラしたりするはずが…」 和「えー、ブルックさんは急用のため、コンテストを辞退するそうです!」 澪「夢じゃなかった…」 和「それじゃー次の方いってみましょー!」 ジャカジャカジャンジャン 音石「名前は音石明。19歳」 音石「まっ、このギターは気にしねーでくれ」 梓「演奏のコンテストなのに…」 和「こんにちはー!音石さんはいかにもギターを弾きそうな格好してますねー!」 音石「将来の夢はジミ・ヘンとかジェフ・ベックとかいったよ、ウルトラ・スーパー・ギタリストになって激しく熱く生きることなんでよぉ~」 梓「言ってることはまともだ!」 音石「近い将来世界中のやつらをオレのギターで…」 ギュウイイイィイイイン! 音石「ノックアウトしてみせるぜェ~~~~」 音石「エディ・ヴァン・ヘレンも尊敬してるしスティービー・レイ・ボーンもしぶくていいなぁ~~~」 梓「技術も高い!」 梓「唯先輩はどうですか?」 唯「うん、何だかあの人輝いて見える」 梓「やっぱり!そうですね、何だかいきいきして…」 唯「そうじゃなくて…。あの人自体が電球みたいに光ってるような…」 梓「?」 和「えー、先ほどから音石さんが有名っぽい人の名前を挙げていますが私ギターに詳しくないので何のことやらさっぱりわかりません!それでは演奏を…」 バアン! 律「な、何だ?」 仗助「みつけたぜェ~、音石ィ~!」 承太郎「……」 音石「な…、何故ここがわかった!?」 仗助「観念しやがれ!」 音石「チ…チクショウ!こうなりゃテメーらも道ずれだ!レッド・ホット・…」 承太郎「スタープラチナ・ザ・ワールド!」 ドオオオーン 承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」 承太郎「時は動き出す」 音石「ブゲアァァー!」ドグシャァ! 澪「な、何だ!?いきなりブッとばされている!」 承太郎「邪魔したな…。それと、協力感謝する」 紬「ええ♪」 律「…知り合い?」 紬「まあ、そんなところね♪」 和「えー、音石さんは警察に連行されたので、これまた辞退となりました!」 和「さあ、大変なことになってきました!3名の候補者の内二人が辞退!自動的に優勝が決まってしまうのか!?」 和「最後の方はなんと小学生!楽器ができないので歌で勝負!それではどうぞー!」 律「演奏のコンクールじゃねーのかよ」 ジャジャジャジャジャジャ~ン のび太「優勝できるかなあ」 ドラえもん「間違いないよ、プロの声で歌うんだから」 のび太「それにしてもすごいクスリだね。あのジャイアンの声が天知真理になっちゃうんだから」 ドラえもん「まあね…。まてよ。あのこと注意しとくの忘れてたぞ」 のび太「あのことって?」 ドラえもん「クスリのききめが30分しかもたないってこと」 のび太「じゃあ、もし早く飲みすぎていたら…」 のド「はたして!?」 ジャイアン「サ、サ、3番!ゴ、ゴ、剛田武!」 のド「ジャイアンの声だ!」 のび太「早く!皆さん急いで避難してください!」 ドラえもん「早くしないと命にかかわります!」 唯「何だろう?」 紬「あの子の応援かしら」 律「ははは、かわいいじゃな…」 ~~~~ その後のことはよく覚えていません。突然頭をハンマーでぶん殴られたような衝撃をうけ、あっというまに気を失ってしまいました。私は、今病院のベッドの上で真剣に思うことがあります まず、部長会議には絶対にでること。そして、和とさわちゃんを絶対に信用しないこと…。ああ、また意識が遠くなってきました…。それでは、さようなら… 戻る
https://w.atwiki.jp/jisininfo/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/83452/pages/6543.html
#2 『バイト!』 純「夏休みにさ、どっか旅行に行きたいよね」 憂「そうだねぇ」 梓「旅行って…どこに?」 純「う~ん…沖縄とか?」 梓「行けるわけないじゃん…」 純「えぇ~、行けるよー」 純「もう高2なんだよ?遠出ぐらい楽勝だって」 憂「でも、そうなるとお金が…」 純「あっ、う~ん……」 純「…バイトする?三人で」 梓「バイト?」 純「どうせお金必要でしょ?」 梓「まぁ、そうだけど」 というわけでファミレスでアルバイトすることになりました。 純「憂はキッチンなんだ」 憂「うん」 梓「コックの服似合ってるね」 憂「えへへ…そ、そうかな」 憂「梓ちゃんたちもウェイトレスの格好かわいいよ」 ガーッ 純「あっ、早速お客さんだ」 客「すいませーん」 梓「はーい!」 客2「あのー」 純「はいはーい!」 憂(うわぁ…大変そうだなぁ) ピピッ 憂「あっ、注文だ……」 憂「えっ、こんなに!?」 憂(一人で大丈夫かな…) 純「ねぇ梓…ファミレスやめておけばよかったね」 梓「うん…」 純「忙しすぎるよー!」 ガーッ 梓「あっ、いらっしゃ…」 律「ちーっす」 梓「うわぁ…」 律「何だようわぁって」 唯「本当に働いてるんだー」 梓「先輩達…なんで来たんですか?」 澪「ごめん、私は止めたんだけど…」 紬「ごめんね」 梓「あっ、お二人はいいんですよ!」 律「なんだそれー!」 唯「差別差別ー!」 純「どうぞ澪先輩、私が案内します」 澪「ありがとう、純ちゃん」 純(やった!名前で呼ばれた!!) 梓「ムギ先輩もどうぞ」 紬「ありがと」 唯「あれ~?憂は?」 梓「憂はキッチンですよ」 テパキテキパキ 憂「えっと、フライを揚げておいて…」 憂「お肉焼かないと…」 ピピッ 憂「あっ、また来た」 憂「サラダって結構注文されるんだ…今のうちに下ごしらえしとかないと」 同僚「すげぇ…初日でお昼のピークをさばいてるぜ」 店長「もう、あの子一人でいいんじゃないかな」 … 梓「ところで純」 純「なに?」 梓「先輩の接客は私がやるからいいよ」 純「え~、澪先輩ともっと話したいよ~」 梓「私だって…」 澪「それにしても二人とも、制服似合ってるな」 純梓「「ありがとうございます!!」」 律「ほんとほんと、可愛いな」 梓「はぁ……」 律「なんで私にはため息なんだよ!?」 … 純「とりあえずパフェ4つ頼まれたけど、これって私たちが作るんだよね?」 梓「うん、パフェやアイスは表の人がやるんだよ」 純「じゃあ澪先輩にはちょっと多めに盛ってあげよう」 梓「いいの?そんなことやって」 純「いいっていいって」 純「盛るぜぇ~!超盛るぜぇ~!」 梓「じゃあ私もムギ先輩の盛ってあげよう」 憂「あっ、お姉ちゃんのもよろしくね」 梓「うわっ!憂いつのまに!?」 憂「えへへ」 梓「お待たせしました」 純「ご注文のパフェで-す」 唯「わぁ!すっごいいっぱい盛ってる!」 澪「なんか…写真のと違うんだけど」 紬「すごいわ~」 律「……おい」 梓「はい?」 律「なんで私は少ないんだよ!?」 梓「気のせいです」 律「気のせいじゃありませんよ中野さん、あきらかに少ないです」 梓「律先輩こそドリンクバー頼んでないのになんでジュース飲んでるんですか」 律「ばれたか」 梓「ちゃんとお会計に入れておきますからね」 律「ツケで」 梓「ないです」 純「澪さん、美味しいですか?」 澪「あ、あぁ…」 純「よかった~」 澪「なぁムギ…」ヒソヒソ 紬「ちょっと…多すぎよね」ヒソヒソ 唯「美味しい~♪」モグモグ 憂「お、お姉ちゃんの食べてる姿可愛い!」 同僚「平沢さん、仕事してください」 休憩中 梓「はぁ、やっと落ち着けるよ」 純「ウェイトレスってさぁ…思った以上に大変だね」 純「お客さんは容赦なく呼んでくるし、その上偉そうだし…」 梓「いいお客さんもいるけどね」 憂「二人ともお疲れ様」 純「憂は余裕そうだね」 憂「そんな事ないよ、結構いっぱいいっぱい」 憂「料理もマニュアルどおり作らなきゃいけないし」 純「マニュアルかぁ…」 梓「そういえばさ、パフェあんなに盛っちゃって本当に良かったのかな」 純「でも先輩たち喜んでくれたし…いいんじゃない?」 梓「そっか…そうだよね」 純「はぁ、早くバイトやめたいよ」 憂「短期だし…あとちょっとだからガンバロ!」 翌日、軽音部 唯「ムギちゃ~ん、今日のお菓子は?」 紬「今日は…ナシよ」 唯「梨?」 紬「無いの」 律「えぇっ!?なんで!」 紬「ごめんね…持って来るの忘れちゃって」 唯「そんな~」 澪「い、いいじゃないかたまには」 律「ちぇっ」 澪「ムギ…」 紬「澪ちゃん…」 澪「昨日…やぱっり増えてたか?」 紬「うん…食べすぎたみたい」 澪「だよな…あきらかに量が多かったもんな…」 紬「しばらくお菓子は控えましょうか…」 #2 『バイト!』 おわり 戻る #3
https://w.atwiki.jp/loria/pages/28.html
それは、常に人々が私たちの日常生活の中で持って来ることができるのは良いニュースではないでしょう。天文学の教師は、腕を振って指を指して、周りの人々のグループに声を出して叫ぶとき、いつも恥ずかしさがあるでしょう。しかし、レーザーポインタのみが行われています腕を振って、天文学では非常に良い選択になるのトラブル。なぜより多くの人々は天文学の研究で、このクールなガジェットを使用し始めている?それは天文学で使用することができますか? 実際のところ、人々は両方のエンターテイメントと、私たちの日常生活の中で実用化のために、このクールなガジェットを使用することができます。かつての天文学のクラスを比較すると、教師は、彼らがどこにあるかを説明するように、ほとんど同様に彼らの指を指して、腕を振って、握手をしなければならない指差し、今の先生は、自分が説明しようとしている任意のオブジェクトに緑色のレーザーポインターを指す必要があることができますレーザーポインター 5000mw。明るい光と長い可視レーザ光は、それが簡単に教師が彼の周りのグループの人々のために必要な任意のオブジェクトを指すようにするために作られています。人々ができる簡単に光スポットの方向にオブジェクトを参照してください。これにより、レーザポインタは、実際に天文学の教育のための素晴らしいツールです。 空き時間に、夕方に外での活動も非常に良いアイデアです。天文学者は常に彼らが望遠鏡か、単に裸の目に興味を持っている星や星座を見ることだろう。しかし、彼らは常にそのような重いなどの悪天候で良い結果を得ることができない霧、曇り、または真剣に汚染された大気中などには、天文学者が良質の天文学の観測を持つことは非常に困難であるレーザーポインター 高出力。 532nmの緑色レーザ光の光が夜空に特に明るく、光が遠く百マイルのために見ることができます。最も重要なことは、このように人々も前進で夜空に星や他の天体を見ることだけでなく、業者にレーザーポインターを使用することができ、この532nmのレーザー光は非常に短い時間で、大気の任意の種類を広げることができることをすべきである悪天候。 天文学の研究ツールとして、レーザーポインタを選択する後悔はありません。天体観測のために、プレゼンテーション、天文学の教育、および望遠鏡の観測が、レーザーポインタは、常にこれらの分野での優れた部分を再生することができます。